先週の土曜日くらいから体調が悪くて日記をつける気力がなかった。というわけで先週一週間のダイジェストの記録だけつけておこうと思う。
2019.11.18 Mon
日曜日の朝エサやりに行くと、また仔ブタが産まれていた。
妊娠していたもう1頭の雌ブタ、モモが土曜の夜に出産したのだ。人間の手伝い無しで。8匹産まれていて、2匹はすでに死んでいた。なぜ死んでしまったかは分からない。
週末は天気が悪かったので、今日この2匹を埋めた。この前と同じ若木の下に。
新たに産まれた子たちを見ると、先に産まれた子たちの成長がわかる。
たった2日の違いだが、先の8匹は活発だ。産まれたての子たち6匹はまだか弱い感じがする。
とにかく2匹のブタの出産は終わったので、ホッと一息。いつくるかという緊張感は常にあったから。
畑では今日、ビーツを全て収穫し終えた。これでまた一つ作物が無くなった。採ったビーツは洗わず土のついたまま保管する。萎びてはくるが、比較的長期間持つはずだ。とはいってももう小さいものばかりだ。
数日前からノドが痛くて体調が優れなかったので、昼はスープだけに、夜もおじやにした。19時ごろには就寝。
2019.11.20 Tue
午前中はブタ小屋に熱源ランプを取り付けた。これは仔ブタのためのもの。仔ブタは四六時中母親につきまとっているのだが、これはミルクだけの問題ではなく、温かさを求めているからだ。母親が少しでも休めるように、そして仔ブタが母親の下敷きになる危険性を少しでも減らすために熱源ランプを取り付けた。天井から地面近くにぶら下げるタイプのもの。
2匹の母ブタの囲いは隣合っていて柵で仕切られている。もちろん子どもたちもそれぞれの母親と一緒に入っている。
おもしろかったのが、熱源ランプが片方の囲いのしか点かなかったのだが、ちょっとすると仔ブタ皆がその下で集まって寝るようになったこと。仔ブタは小さすぎて、柵の隙間を通り抜けられるのだ。どの子がどちらの母親の子か判らなくなってしまった!と思ったが、さすが母親、自分の子はしっかり嗅ぎ分けて、別の子がおっぱいを飲みに来ても追い払っていた。
午後は、ウシのTBテスト。牛結核と呼ばれる病気にかかっていないかどうかの検査で、イギリスでは年に1回、そして牛を移動する時にも必ず受けさせなければいけない。感染していれば屠殺だ。牛にとって致命的な病気ではないらしいが、人間にとってシビアな問題なのだろう。
放牧地に獣医が来て、対象のウシに注射を打つ。数日後にまた来て注射痕の状態で判断する。いわゆるツベルクリン反応を見るらしい。今日の獣医は女性で、話し方からエドたちに出身地を訊かれていた。ポルトガルとアイルランドの訛りが混ざっているらしい。いちいち言葉の訛りが問題になる国だ。
牛を放牧地の一角につくった柵に追い込んで、注射していくわけだが、助っ人サイモンは頼もしかった。自身も農場を持つファーマーなのだが、ウシに慣れているというのはこういうことなのかという感じ。彼が一人で群れを柵に追いこんだのだが、嫌がって逃げようとする牛の前に立ちはだかり、一歩も退かずに帽子でピシピシ叩いていた。牛も彼が怖いのか向かっていこうとはしない。僕なんかがやれば、ちょっとした立ち振る舞いからナメられて、突き飛ばされそうだ。
二人とも体調が悪かったので、15時半くらいにあがらせてもらった。食堂のおばちゃんにレモンをもらったのでそれと畑のセージ、蜂蜜でハーブティーを作ってひたすら飲む。
2019.11.20 Wed
彼女は体調が悪かったので一日休んだ。
朝、農園スタッフのデーブが親切にものど飴を買って来てくれた。のどが痛かったので本当に助かった。自分たちでは買い物に行く時間も気力もなかったから。という訳で午前中はずっと飴をなめながら作業していた。学校周りの剪定。剪定は本当に延々とある。
昼ご飯は食堂から自分たちの部屋に運んで食べた。カレーとプディング。
午後は、一輪車の修理をしたり、ブタ小屋の熱源ランプの電球を交換したり(でも結局点かなかった)。体調が悪い中一人で黙々と作業していた。ちょっと真面目すぎるかもな。
2019.11.21 Thu
飴のおかげか、のどはだいぶ良くなってきた。そのかわりに鼻水がひどい。いつもこのパターンだ。
木曜の朝は勉強会。「治療教育」の本を買おうと思いながらも、なかなか買えていなかったのだが、今日ある先生が自分のをくれた。プレゼントといって。気前良いし、やさしいなぁと思う。今までわかっていなかった部分も早く読みたい。勉強することがどんどん増えていくのは困るが。
畑ではニンジンの収穫。植えたタマネギは芽が出てきて窮屈そうにしていたので、防霜ネットを外した。
明日から週末にかけて農業講座を受けにラスキンミルの他の学校に行くので、夜はその準備をした。小旅行なのに体調が優れないのが残念だ。
こういう感じでイギリスで初めて体調を崩した1週間だった。フランスに住んでいたときも似たようなこと(この時は2週間だったが)があったので予想はしていたが。日本では滅多に風邪は引かないのだが、やはり環境も食べ物も変わると日本での免疫では対処できないのだろう。旅行とは違って、毎日イギリスの冬の寒さのなかで仕事し、ここの土地のものを食べて暮らしているわけだから。でもこれが過ぎれば新たな身体にバージョンアップしていることだろう。
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