羊をトレーラで移動させる

農園日記

2019.10.10 ~羊の移動、BRP受け取り~
8時半前にエドと階下に待ち合わせた。
まず先生の朝のミーティングに参加した。講堂に20人くらいが集まっており、ここでエドに紹介してもらう。これでようやく周りの我々に対する認識は、よくわからないアジア人というのから、農園研修を受けに来た日本人ぐらいにはなっただろう。この1年が終わるまでにこの中の何人かとは仲良くなれるだろうか?
エドは、なるべく毎朝このミーティングに参加できるように、と言った。ランドチーム(我々農園スタッフのこと、この言い方が格好良かった)の存在意義は大きいが、もっと学校側に入りこんで意識を向けてもらわないといけない、と。

そうだ、ここの学校農園の問題のひとつは、学校と農園の距離が物理的にも心情的にも少し遠いこと。勿論同じ敷地内にはあるのだが配置が悪く、ふらっと畑に立ち寄れるという感じではない。
そしてさらに、我々は初めての農園研修スタッフ、しかも違う文化圏からの、ということで周りの意識も含め、色々な壁がある。
農業は自分たちで黙々とやってしまえるが、だからこそ毎朝先生たちと顔を合わせることは大事だ。

その後、「治療教育」のスタディグループへ。毎週木曜日にエドとその他3人の先生が集まり、ルドルフ・シュタイナーの「治療教育」という本の読書会を行っている。障がいを持った子どもへの教育に関する本だ。
現在でこそ、彼らにも教育を授けるというのは当然だが、当時はそうではなかった。今でも、平等や人権の観点から当たり前であるにしろ、本当にそれの意義そのものはほとんど理解されていない、と一人が説明してくれた。
少しずつ勉強していきたい。

午前中の主な農園作業は羊の移動。
1つのフィールドから別のフィールドへ、4匹の羊をトレーラーで移動させた。
羊は臆病なので扱うのが難しいが、3人で餌でおびき寄せ、なんとかトレーラーに押し込んだ。
ここの羊は毛がカールしていて、どことなくアフリカ系の女性を思わせる。
移送先のフィールドには、すでに羊の群れが放牧されていた。前に同じように移された仲間の群れだ。
トレーラーから先ほどの4匹を放すと、2つの群れは近づいて行き、お互い嗅ぎ合い、合流した。
そして何匹かが走り始めた。久しぶりに再会して嬉しいのかもしれない。なんか可愛い。

昼食はラザニアだった。なんとここのヤギ肉入り!
ファームはきれいごとではない。料理に対して背筋が伸びた。
それにしても、動物に「可愛い」という感情が入りすぎたら大変だな。

午後は電車でバーミンガムまで出て、指定の郵便局へBRP(滞在許可証)を受け取りに行った。これにて長かったビザ手続きはようやく完了。正式に1年間イギリスで暮らすことができる。
ついでに、中華街のアジアマーケットで買い物した。今や日本の食材もたいていのものなら手に入る。気持ちがくじけたらここにアジア料理でも食べに来ようね、と彼女と話した。

明日は、さらに牛の移動がある。
ではまた。

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