壮大なファーム計画

2019.11.27
午前中は学校正面の植木の剪定。
アジサイなども植わっていてまた来年に咲くのが楽しみだ。

学校農園とは言いながら、生徒と関わらずに農園の仕事をしている時間のほうが圧倒的に多い。特に冬は準備の期間で、単調な作業が多い。
それでも散歩している子どもたちが、我々が黙々と作業をする様子をじっと眺め、興味深々なことがよくある。近寄ってきて、ちょっとだけ枝を切ってみたり、切り屑を掃いたりしてみる子もいる。

そしてそういう経験も大切だなと思うのだ。大人が自分の仕事に集中している姿を見る経験が。こういう学校で生きる子供たちの周りにいる大人のほとんどは、先生とかサポートスタッフといった彼らの面倒をみることが職業の人々。意識が完全に子どもたちの方を向いている。そのなかで子どもたちは自分が主役の世界を生きている。
勿論そういった人が不可欠なのだが、そうではない、自分の仕事に没頭している人の存在も子どもの成長に大きく影響を与えるのではないかなと思う。

注意力が散漫だったり、集中が続かない子供も多い。大人が集中している姿に慣れ親しむことで初めて得られるものがある気がする。

そしてそれからさらに先には仕事の意義を感じることもできるだろう。
特に料理や掃除をしてくれる人。日常に入り込んでいて、彼らの仕事の恩恵をすぐに受け取れる。
もの作りなどの職人。リズムに見入ってしまう。ものが出来上がっていくというインパクト。
ファーマー、庭師。自然と向き合うという姿。野菜など、長いスパンでの恩恵に預かれる。

午後は道具小屋などの片付け。どうしてこんなに散らかっているのかが不思議である。片付け下手な人の割合が多い気がする。

今日はエドはいなかったのだが、夕方にやって来て、昨日あったミーティングの内容について教えてくれた。農園の将来の計画について。
今ファームの中心(動物小屋とか)があるのは、学校からちょっと下ったところなのだが、将来的には学校のすぐ隣にもファームの施設を作りたいそうだ。子どもたちが気軽にアクセスできるような場所にしたいと。
そして現在の場所は、もう少しパブリックに開かれたファームにしたいらしい。近隣の学校の児童が月に何回か研修に来たりできるような。

夕闇が深まって、あたりもよく見えなくなってきたなか、
「ここを将来のファームセンターにしたいんだ」
と我々を案内するエドは、疲れているが、興奮して楽しげだった。

「考えていることを人と共有したいんだ、そうやって計画を固めていきたい」
いつも本当に忙しそうなのだが、仕事にこんなに情熱を持てるなんて素晴らしいことだなと思った。

我々がいる1年の間にできることなんて限られている。でもこうやって少しずつ場所を創り上げてゆく過程に参加できていることは大きな経験になるだろう。数年後に訪れたら全く違う学校になっているに違いない。

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