牛の角と牛フン

農園日記

2019.10.25
朝は雨のなか、堆肥の山を整えた。
家畜小屋から出るフンや汚れた麦わらを外に積み重ねている。
その山の形を整えて、干し草をかぶせた。
今週末に農園の見学ツアーがあるのでエドが体裁を気にしているのだ。
雨の中で濡れながらやる作業じゃないだろと思ったが。

あとは、ニワトリの治療。
何週間も前から、お腹が異様に膨れたニワトリが一匹いた。
お腹をひきずるように歩いている。
実は液体が溜っているらしくて、エドがそこに注射器を刺し、液体を抜いた。
プラスチックの使い捨てカップ3杯分もとれた。
温かくて黄色の液体。尿なのかな?

エドは、この方法をYouTubeで見たそうである。
ニワトリを飼っている人はごまんといるので、ネット上にほとんどの情報はあるようだ。
便利な時代である。
とは言っても実際にやるのは勇気がいる。まだ横で見ているだけで一杯一杯。
その後ニワトリはは何事もなかったかのようにエサをついばんでいた。
治っていくだろうか?

午後は、調剤をコンポストの山の中に入れこんだ。
この調剤というのは、バイオダイナミック農法独特のものだ。
植物から作られた薬のようなものかな?あとは牛フンから作られるものとかある。
宇宙的なエネルギーを肥料の中に取り込むためらしい。
まあ非科学的なので僕も半信半疑ではあるが、その根底にある思想は興味深い。
そしてとにかく育つ野菜が元気で力があれば結果よしということで。

ちなみに材料の植物には、ノコギリソウ、カモミール、イラクサ、オークの皮、タンポポ、カノコソウなどがある。

そして今日は実際に牛フンの調剤づくりも行った。
これは本当に独特。
牛フンを、これまた牛の角に詰め込んで、冬の間地面に埋めておくのだ。
とり出す頃には完全に土と化していて、薬としての力を持っているらしい。
イギリスでは法律で牛の角が入手できないらしく、フランスから買ったという角12個に、牧場で集めた牛フンを詰め込んでいった。
そして牧場の一角にみんなで穴を掘って埋めた。
傍では犬たちが、人間が楽しげなことをやってると喜んでいた。

今日は、嵐のような雰囲気のなかこんな摩訶不思議なことをやっていた一日。

さて今日でスペインからのイレーネとはお別れ。
またここで研修したいと言っていたので、近いうちに会えるかもしれない。
「あなたたちがいることもまた来たい理由の一つよ」
と言ってくれた。

夕食は目玉焼き丼に醤油をかけて食べた。
バーミンガムの中華街で買った日本米にここの卵。
醤油は日本から持ってきた、糸島のミツル醤油という上等なもの。
これで満ち足りてしまうのは、仕方ない。

来週は、月~水が研修なので農園作業はおやすみ。
ではまた。

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