ゴールデンゴールデン

農園日記

2019.11.08
朝はまずエサやりがてら、数日前から弱っている小さいブタの様子を見に行く。他のブタたちがエサを待ち構えてキーキー騒いでいるなか、そのブタは今日は小屋から出て来てもいなかった。小屋のなかを覗いてみると、麦わらの中に横たわっている。鼻先にエサや水を近づけてみてもほとんど反応しない。とりあえず、泥で湿った床の藁を新しいものと取り換えた。「人間もベッドが清潔だと気分が変わるでしょ」とデーブ。できれば1匹だけ別の小屋に移したかったのだが、重いし嫌がっていたのでそのままにした。それにしても豚はほんとうに食欲のかたまりなので、その食欲がないというのはもうダメかもしれない。

その後、放牧している羊と牛をチェックしに牧草地へ。冬に近づいてほとんど草がなくなってきているので干し草を持って行った。いつみてもこの牧草地からの景色は良い。丘で草を食んでいる羊のバックは見渡す限りの牧草地が続いている。天気が良い日はウェールズまで見えるのだとか。
動物をたくさん飼っていると、ただ動物を眺めている時間というのが結構あって、現代社会に毒された僕からすると最初は「非生産的な」という感じもした。仕事中は何か手を動かしていなくてはいけないというか。でも観察というのも立派な仕事の一つなのだ。群れの様子や個体の状態をジッと集中して観る。何か違和感はないか?改善したほうが良いことはないか?これはある程度の時間も要する。一目で見てわかるようなことが起こっている時はもうすでに手遅れかもしれない。
僕がここの生活で学びたいことの一つが動物と暮らすテンポである。

それから、ブタ用の新たな囲い作り。今ブタを放しているところが泥でグチャグチャになっているので新たな場所に移動させるのだ。リンゴの木の下のスペースに電気フェンスを張ってゆく。草が生えてワイヤーに干渉するところは草を刈る。

さてこの日は夕日が美しかった。霞がかったような黄色。ここでは夕日が低い丘々の地平線に沈んでゆく。木々の紅葉がさらに一段と輝いていた。10月を「ゴールデン」と形容する詩を朝のミーティングの時に聞いたのだが、なるほどこれか。これがイギリス人の秋のイメージなのだろう。「秋晴れ」の日本とはやはり感覚がちょっと違うかな。

夜はパッタイ風焼きそば。買っていたライスヌードルを使って。魚醤はないけど、ダシとリンゴ酢の酸味でいい風味が出た。ここの人参も香りが高いので良く合う。最近夜はアジア料理ばかりだな。でもいいのだ。ほうっておくとと小麦ばかり食べてしまって調子が優れないときもあるのでバランスを心掛けている。

ではまた。

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