なぜ農業に興味があるのか?
なぜその中でもバイオダイナミック農法なのか?
そもそも初めて農業の仕事をしたのは、大学を卒業してすぐの頃。
有機のイタリア野菜を育てている農園を手伝わせてもらったのです。
夏から秋にかけての数か月でした。
もともと自然は好きなのですが、どちらかといえば登山やキャンプなどのアウトドアで、農業にさほど興味があったわけではありません。
夏、暑いなかでの畑作業は重労働で、
特別に農業が楽しいとかやりたいとかは思いませんでした。
が、後になって家族に、「あの時は生き生きしていたね」と言われました。
確かに楽しいこともあったのです。
一日中、長靴をはいて自然の中で仕事すること。
体を黙々と動かしつつ自分の世界に入れること。
畑から見渡す海沿いの風景。
ときどきもらえる、新鮮な見慣れぬイタリア野菜。
でも自分が家族に印象を与える程、生き生きしていたとは知りませんでした。
さて時は流れ、フランスにて。
通っていた学校(いや住んでたのです)はど田舎で、農園があり、基本的にそこで採れた野菜を食べていました。
ここの野菜が本当に健康な野菜で美味しかったのですが、
さらに畑そのものが美しかったのです。
池があり、生垣があり、遠景は牧草地で、そこにいるだけで気持ちが良い空間でした。
そしてこれがバイオダイナミック農法との出会いだったのです。
このフランスの学校で1年間、哲学、自然科学、芸術や工芸などをみっちりと勉強したのですが、結局一番大きく心に引っ掛かったのが、バイオダイナミック農法でした。
それは、農業だからというよりも、建築を学んでいた僕にとっては、
自然に人間が働きかけることで、いかに調和のとれた場を創れるか、
という方向性を示してくれたからです。
もちろん、美味しくて安全で元気の良い野菜をつくれることも大きな理由です。
そうそう、フランスには彼女と行ったのです。
彼女はその前から長く体調を崩していたのですが、この学校にいる間に驚くほど元気になりました。
要因は色々あるでしょうが、
その土地でとれたパワーのある野菜中心の食生活を送ったこと
も助けになったんじゃないかなと思います。
そういう訳でバイオダイナミック農法への興味は高まり、そしてその後の進路を模索しているときに、ある先生からRuskin Millを紹介されたのでした。
今回はこのへんで。
続く
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