真面目なイギリス人

農園日記

2019.10.23
今日から3日間、スペイン人のイレーネが見学がてら一緒に働く。
グラナダ出身で今までたくさんの国に住んできたよう。
動物好きで朝一番、仔豚のエサやりに連れて行ってあげたら喜んでいた。
お腹をすかせた12匹の仔豚(といってももうだいぶ大きいが)がわめきながら集まってくる様は確かに可愛いのだ。
今年の3月にここを訪れた時は、まだ産まれたての手の平サイズでこんな生き物がこの世にいるのか!と僕も思った。

さて今日は、昨日コーンを抜いて耕した畑にサラダ野菜を植えてゆく。
苗にNamとかMibとかのラベルがあるが、どんな野菜なんだろうか?
アジア風の名前だね。水菜の一種ぽい。

あとは、コーンサラダ。
とうもろこしのサラダではなくて、そういう名の野菜だ。
初めて聞いたが、あとで調べるとコーン畑によく自生することが名前の由来だそう。
じゃあここはぴったり合った畑だろう。

土はとてもフカフカしていた。すごく良さそうな感じだが、他の農場から来た助っ人のチャーリーは、
「柔らかすぎる土はあまり好きじゃない」と言っていた。
植物にもよるみたいだ。

そういえば、前にワイン作りで聞いた話を思い出した。
なぜ日本の土壌があまりワインに向いてないか?
一つの理由が、土壌が豊かすぎるかららしい。
シビアな土壌ではブドウの木が栄養を求めて、深く根を張ってゆく。
土が豊かだと浅くしか根を張らないそう。
植物にもあまり楽させると良くないのでしょうか?

昼食時、イレーネは我々の昼休みの短さに驚いていた。
特に今日は午後畑に来る男の子と一緒に食事したので、その流れでそのまま畑に戻ったのだ。
休憩は実質30分くらい。
「普通昼ごはんのあとはシエスタが必要よ!食べたものがまた出そうだわ」

確かにイギリス人は真面目に働くなあと思う。ラテン人からみたら余計そうだろう。
みんな昼ごはんはササッと済ませて仕事に戻る感じだ。
食べているときも真剣な話ばかりしている。ジョークは言うが話題自体が真面目なのだ。
特にここの人たちがそうなのかもしれないが。

せっかく外に芝生だってあるのに、晴れてても日光浴もしない。
フランスだったらコーヒー片手に皆わらわらと集まっているな。
時々ラテン文化が恋しくなる。

とにかく僕と彼女もこの昼休みの短さには我慢ならないので、少しずつ打破していこうと思っている。真面目なのは良いことだが、ゆとりも必要だから。
スペイン人のイレーネが今後来てくれることになれば、計画は捗りそうだ。

さて午後も苗植えの続き。
さっきまでは久しぶりのラテン気質が懐かしかったが、とにかくイレーネは仕事しながらもよくしゃべる。
しかも信念が強いのでエドに結構強く意見したりする。ここの先生の子どもへの接し方についてとか。
そしてエドも頑固なので、「さっきの君の意見だが~」とか言って延々と話していた。
一方、我々日本人は一言もしゃべっていなかった。
海外にいるとこういう議論する時の皆の瞬発力とかに恐れ入る。
別に英語が流暢ではないとかの次元の問題ではないな。
瞬時に自分の意見を持ち、言葉に構築するという訓練ができていないのだ。

まあそれも良し悪しである。
植え終わった苗の列は所々大きく乱れていた。

植えた後に防霜ネットをかける予定だったが、畝の幅が広くて合うものがなく、また後日となった。それまでに霜の降りる日がなければいいが。気温は日増しに寒くなってきている。
せっかく植えたものが寒さで台無しになったら悲しいな。

ではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました